2014年7月30日水曜日

ハンノキのオレンジ Japanese Alder




「木返し」という道具



ハンノキを製材した。切り立ては白いが見る見るうちに黄色オレンジ色に変わってゆく、酸化してゆくのだ。桜の木のシラタもこういう色が出る時があるがこれはかなりオレンジになる。水分が無くなくなれば切っても白いままだろうと思う。製材する時は木取りをどうするかを考える。それには木の性質や何を作るかを考慮する。ハンノキは初めてなので色々と考えてみた。先人の知恵としてこの木を敵用材としているものに下駄がある。そこから考えられることはまず足が触れても毛羽立たない、ささくれが少ないということ。そしてあまり重くない下駄は桐を使うこともあるから。それに濡れて乾燥しても割れが少ないなどが考えられる。他の資料にはこの木は油分が多いので生木でも燃えやすいと書かれていた、トラックの荷台に斜めに載せても樹皮がよくく滑る。チークがエクスアに適していることに油分が多いことがあるならこの木は雨の当たるエクステリアにも良いかもしれない。しかしこれはあくまで予想である。住宅を作る会社はエコスタイルとか何スタイルとかで住み方や生活の仕方を誘導しているところがある、家具の作家も必要とされるものだけを造るのではなくそれがあるから生活の仕方が変わる物なども考えてみたい。最近夕方がとても心地よい、明るいうちに帰るとシャワーを浴びてビールを持ち庭に居ることが多い。ところでハンノキの製材の仕方だがまず下駄を作ってみたいので厚みを2寸に製材した。全て下駄ばかりを作るわけではないのでそれとセットで床机(ショウギ)、外における長椅子を作ってみようと思った。今の住宅にはなかなか床机を置けるスペースが無いが新興住宅地の子供の多い地域ではお母さんや子供達が夕方に表で遊ぶ風景は今も昔も変わらない。そんなところに置きたくなるような床机とおとうさんの下駄をセットで作るのだ。 どうかな?

2014年7月27日日曜日

田んぼの影 ハンノキ Alder








この木も田んぼの影になるので切って欲しいといわれていた、ため池のふちに立つこの木は樹皮を見てクヌギと思っていたが実はドングリはなく小さな松ぼっくりのようなものが付いていた。農家のおじさんは「ハンノキや下駄を作るやつや」と言う。あまりハンノキについて知らないので調べてみるとまさに田んぼのため池のふちや湿地帯に生育する樹木とある。幹が真直ぐに上に伸び心地用意木陰を作がそれがここの場合好まれていない。確かに暑い夏には心地よい。油分が多く生木でも薪になるので昔は重宝されていたがこれも薪が不必要になり伸びすぎてしまった。樹高は20メータほどで直径は30センチほど。切り口を見ても木目や年輪がはっきりとしない散孔材、マホガニーなどと同じで細工しやすく変形も少ないはず。乾燥も早いようで家具材としてはもってこいだ。これが英名ではアルダーと呼ぶ。アルダーはアメリカではよく使っていた。キャビネット材としても多く北米では販売されている。価格は比較的安くあまり幅の広いものは無い。薄茶色で艶が出ないためにマホガニーやウォールナットのように高価ではないが導管や木目が分かりにくいので細工物には柔らかくて使いやすい。しかしここは日本どのようになるかはお楽しみ、家具用材としては文句無いでしょう。

2014年7月25日金曜日

伐採と製材 30年の山桜










田んぼの陰になるということで桜の木を伐採することになったのは先週末の梅雨の終わり。奈良国体の記念苗木がここまで育った、それは今から30年前の1984年開催だった。桜の種類は多くてまだあまり見分けがつかないが樺の感じから山桜と思っていたがどうもそうらしい。山桜はソメイヨシノとことは違い花の前に葉が出るので真ピンクの満開にはならない。しかしこれが万葉集などに歌われる日本古来の桜の種類なのです。今までの経験では山桜の根元には炎のような斑点が出ることがあるのでそれを期待していたがこれにはそういった荒々しさがなかった。年輪から樹齢を数えてはいないがこれを植えた人が言うので樹齢は奈良国体からちょうど30年になる。製材した感じでは人間で言うと中学・高校生ぐらいの若々しさを感じた。この木はまだまだ成長過程で熟された色が出ていないように思える。そういえば炎の斑点の桜は巨木だった。雑木は光物の魚みたいなもので足が速い、すなわち腐りや痛みが速いのだ、一ヶ月も置いておくと外側からいたんでくる。今回は伐採後すぐに出し。3日後に製材したので樹皮の際まで綺麗なものだ。





2014年7月19日土曜日

製材と乾燥







山から出したヒノキを製材し乾燥する。材木用に手入れされていたヒノキではないので有用な材質のものはなかなか無かった。良質な材木を作るならば間伐や枝を掃ったり手入れが必要だ。経験で物事を知る、実際に体験することで現実を知るということは読んだり聞いたりした知識ではなく、百聞は一見にしかず身をもって知りえた知識になる。漆の製品が長い年月を経て使われていることは事実、職人の人生を超えて得た現実なのです。例えば樹木の製材から有用な乾燥材に至るまでの期間や工程も経験で得た知識に勝るものはない。製材したヒノキを郷蔵で乾燥させる。通りがかりの坊さんがこれで何をされると聞く。蔵で使い東屋もこれで作ると言った。すると坊さんは今頃は乾燥の技術も進んでいますからねと言う。しかし今回は技術で乾燥させるわけではなく知識で乾燥させるのだ。割り箸や爪楊枝なら翌日に乾燥する、それならば必要な大きさにあらまし製材しておくと早く乾燥ることは今までの経験で知りえた事実なのだ。例えば杉の足場板などは乾燥材ではなく生木で製材され流通している、アメリカの2X4は米松の生木で流通され釘を打つと水しぶきが出る。それらの材料は数週間するとカラカラに乾燥している事実を何度と経験しているので針葉樹の乾燥については広葉樹に比べて分かりやすい。樹木には乾燥と伴うことに変形が有る。広葉樹はソレやワレが思わぬ方向に起こることがあるが幹が真直ぐな針葉樹は変形が想定しやすい。しかし私たち木製品の加工者は製材、乾燥、加工、販売とその後の責任を経験で熟知する必要がある。木工家の中には購入した材木が加工後に変形したと材木屋に文句を言う人がいるがそれは職人が一枚上をいかないと材木屋には酷な話なのだ。魚が上手いかまずいかは魚屋の口より職人の経験で分かれば問題は少ない。乾燥に要する必要な期間や工程は失敗から得た成功に勝る知識を超えるものは無い。

2014年7月16日水曜日

蓮の花 



蓮の花が咲き始めた、その花も夕方になるとしぼむ。最近になってつぼみがニョッキーと出始めてだんだん大きくなりパーッと朝に咲いているのだ。蓮の葉も大きいが花の大きさは草木の花どころではない大きさなのだ。写真の蓮の花にはバッタが入っている。急にこの大きな植物が成長し始めるので驚きだ。農家の人達が知っている当たり前の事も町に住む僕たちにとっては知らないことが多い。山から搬出したヒノキを使ってこの蓮池を望める東屋を郷蔵の横に作る。この富有柿の産地、鹿背山に残る東屋を作りたい。

2014年7月13日日曜日

鰻と鯰の大脱走




台風明けに知人のTさんから「ドジョウが捕れました、今日仕掛けに行きますよ」と連絡があった。この日は同じく僕も行くつもりで準備をしていてた。Tさんは上流へ僕は近場で仕掛けておく。日曜日の朝、雨が降るかもしれないので5時に起きて見に行くとギャッホー!ウナギが掛かっていた。今年初めてのうーちゃんです。速報でTさんにうーちゃんをGETしたことを知らせるとあちらは型の良いナマズが捕れてました。鯰は食べないので引き取ってくれないかと言うことで貰うことになりその日の朝ウチには鰻と鯰が揃いました。この日は息子二人の中学校の野球の試合で妻と見に行くことにしていた。長男は三年、次男は一年で一緒にやっている。中三の練習試合もこれが最後で来週は夏の大会、最後の公式戦になるのでこの試合もしっかり目に焼き付けておこうと張り切って見に行った。しかし試合開始後間もなく雨が降り出し中止になり、再開の目処か立たずしかたなく帰ることになった。帰宅すると家のガレージに何か黒い物体が。。。ナマズだった。飛び出して脱走中だったが幸い試合が中止で早く帰宅したのでまだ生きていた、バケツに返すと隣のうーちゃんが居ないこれも脱走したのだ。そしてあわてて探した、雨水の下水の網を覗いたり、倉庫の中を見たり、またも逃げられたのかと思ったら道路の方まで出ていたところを見つけた。思わずの鰻と鯰の大脱走騒動だったが共に見つかり今夜の晩飯を失うことは無かった。この脱走劇、ナマズよりウナギのほうが地上では遠くに逃げることが分かりました。あわてていたのでその場の写真は撮っていなかった。うーちゃん63センチ、ナマズちゃん53センチは鰻丼とから揚げになり別々の道へ進みましたが結局同着で今宵私たちの胃袋にゴールインしたのでありました。








2014年7月10日木曜日

ヒノキ搬出 雨の日レインフォレスト




小雨降る中、山からヒノキの搬出を続けていた。梅雨明けになると雑草と虫と暑さ、それに伐採したヒノキの状態が悪くなるからまとめてこの作業を済ましておくことにする。これらの材木はどんどんすぐに使ってゆきます。メインは蔵の横に蓮の池がありそれを見ることが出来る東屋を作ること蔵の建具にも使います。一番早くではここの鹿背山に一軒4坪ほどの小屋を建てるのでそれにも使います。ヒノキの先の細いところは枝を払い蔵の土壁を塗るときに足場をそれで作ります。
ヒノキ以外にも棒ガシやその他の細い広葉樹も出しています。ひとつ裂けた木には芯が黄色いものがあったあれは何かな、乾燥しても黄色いのかな?森の中には知らないことがいっぱいあります。軽トラがやっと入るところなのでスズキの四駆で出しています車はボコボコ状態ですがおじさんはまったく気にしていない、よく走ってくれます。ボコボコにしてもいい車で泥濘を走るのはラリーのようで爽快な気分です。二十歳の頃、道東の別海町で酪農をしていた時、夜に放牧させていたホルスタインをボコボコの日産サニーで牛舎へ入れていたときのことを思い出した。台風はたいしたこと無かったけど小雨降る中森の中はレインフォレストに居る気分でした。ヒグラシが鳴くまで作業をした。

2014年7月7日月曜日

ケヤキ ブックマッチング



鹿背山のケヤキ、蔵前の空き家の駐車場スペースに展示保管乾燥できることになったので先日挽いたケヤキの枝分かれをここに持ち込んだ。切断面を開いたブックマッチングで見ると芯に近いほど木目が荒々しく外に近いほど穏やかな感じがする。男性的なものと女性的なものの感じがするように表情を変える。蔵のおじさんはこの4枚でひとつのテーブルを作らな意味が無い、わしが売ったると意気込みがすごい。何しろ良い仮展示場が出来たことは嬉しい。


製材枝部・樹木の木目切断面 ケヤキと桜

ケヤキA


ケヤキB





ケヤキC

ケヤキD


桜種類不明



枝分かれしている部分で大きくて製材しにくく後回ししていたものを挽きました。枝分かれの木目は樹種によって違いますゆっくり見てください。穴の開いた部分のケヤキBはきっと動物が住んでいたのでしょう糞のようなものが沢山溜まってました。リスや虫の家の中はこんな感じなのですね。