2010年5月31日月曜日

折りたたみ椅子 Folding chair No.01








NHKの番組を観てくれたおばさんからの注文「折りたたみ椅子」
わざざ局に連絡して連絡先を聞いてくれたらしい。
お年寄りの独り住まいなので希望通りの物を作ってあげよう。
三日程で試作を作りながら合計5脚を作ってみた。
買って頂くのは内4脚だ。

材料は工場に有ったケヤキの端切れを集めて作った。
一日目は構想、二日間で作り上げる、仕上げには柿渋を使った。

日本にかえって来てからは限られたスペースに納めると言う条件の仕事が多い。
今回も玄関横に有る水屋と畳の和室との間にある少しのフローリングの所で
ワゴンテーブルを使用て来客者が来た時に椅子に座って食事をしたいと言う希望だった。

年を召されたお年寄りは直に座るのが大変でとか、息子達が来ると椅子が良いとか。
しかし和室を基本に作られた家には食卓と椅子を常時置ておくスペースが無いのだ。

そこで折りたたみの椅子を数年探されていた。通販のパイプ椅子より木の椅子を好まれ
どこに頼めば良いのかと考えられていた時にNHKの僕の出演したテレビを見て
テレビ局に電話され、ウチに連絡が来る流れになったのだ。

今回の折りたたみ椅子を作りにあたっての条件

・狭いスペースだがゆっくりすわれる
・前後のスペースを稼ぐ為に背中のラインよりは椅子をあまり出さない
・簡単に折たためて、簡単に広げられる
・折り畳んだ時に一脚の厚みを7センチ以下にする。
・使用していてぐらつかない

などを考えながら作ってみた。
おばさんは4脚必用とされているが、こういう時は一脚多めに作る。
製材の段階で節や割れの有る悪い材料を一脚に集め、
組み立ては悪い一脚から手始めにくみ始めていく。
そうすると試作品と同時に完成品が出来てくる。

一脚の価格は2万円、材料は購入していないので手間だけで作りました。
お客さんは大喜びでお気持ちを含め少し多くお支払い頂きました。
有り難うございました。

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折りたたみ椅子のテクニカルなヒント(木工作、中級編)

真直ぐに折りたたむと言う動きは一見複雑に見えますが考え方はこうです。
動きの軸は4点、椅子の状態では変則的な四角形に成ります。
仮に一辺をA,B,C,D辺とするとA,B辺の長さとC,D辺の長さを同じにしておくと
この2辺どうし真直ぐに並んだ時に同じ長さであれば真直ぐに閉じる事が出来るのです。

この考え方からするとどんな角度の関係の椅子でも折り畳む事が出来ます。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが
三回コースで折りたたみ椅子の講習で来ます。

got it ?


2010年5月29日土曜日

フットワークかるいで〜安いで〜 家具を作れる大工です

最近朝にウチの女房と連続テレビ小説の「ゲゲゲの女房」を見てから工場に行く。

ウチの女房が言う「人ごとやないな〜」
僕「ホンマやな〜」

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ウチの工場は小さな仕事もこなしますよ。以下は先月やった小さな仕事です。






狭いキッチンに移動式キッチン・アイランド
大理石をはめ込んだコンパクト・アイランドです。石はお客さん持ちです。

これは相談してもろもろの要望を満たしカスタム・キャビネットです。
圧力釜が入る扉と子供のおやつなどが入る引出し。
作業日数3日間で低価格の杉とコンパネで作りました、価格8万円。

小さな夢がかなえられたのではないかな。



友達の仕事。
息子が高校入学したので二人で使っている子供部屋を整理したい。
本棚やコミック本の整理出来る本棚を作って欲しい。本棚3箇所。

それと洗濯した物を置く棚が欲しい。
洗濯物の棚は良い板を希望されていたのでウチに有った銘木バビンガで作りました。

全部で10万円。

ブログを見ている方はあなたも友達。

なんか有ったら仕事くださいね、設備、経験、スピードで安い仕事もできます。




2010年5月27日木曜日

昔の写真 1990 上々颱風 寝屋川公演




先月、アメリカ村のサンホールで芳養屋のはやさんの結婚式に行った。
芳養屋は大阪ディープサウスのミュージシャンの溜まり場で超安い飲み屋なのだ。

サンホールのプロデューサーで音響をされている方が
「若キチ、久しぶり」と声をかけて来た。僕は友達からはワカキチと呼ばれているのです。

顔は覚えが有るんやけど思い出せない、話を聞くと
アメリカに行く前の20年前に寝屋川の観光農園でやったシャンシャンの野外公演
で音響をやっていた足立さんだったのだ。

昔の写真が有ると携帯に入れられていた物を見せてもらった。
当時の事だし写真で撮った物をスキャンして取り入れたものです。

寝屋川の陶芸家の石田さん言い出しっぺで始まったこのライブ
僕が舞台を建てる事に成った、左右に長い花道を延ばし畑の上に舞台を建てたのだ。
丸太の造形物の一番上にピンクの僕のパンツをなびかせた。アホです猿です。

足立さんの写真を今回メールで頂いたのでここに載せてみました。
アメリカに行く前はいっぱいイベントや舞台を作ったのですがあまり写真が残っていない
この写真は僕に取って貴重な写真の一枚になりそうです。

当時の僕は失う物が無かった、飯と酒で長期のイベントにもよく参加していました。
丸太で作る造形物もそんななか覚えて行ったのです。

この丸太造形も今と成れば昭和の仮設工法なのですが帰国してからも
結構シノとバンセンを握る機会がある、それも仕事としてです。
ひょっとすると今年の後期にこの丸太組を大学で客員教授として教える事に成るかも
しれません。そんな冗談の分かる大学が有るものなのか?

1990年 上々颱風(シャンシャン・タイフーン)寝屋川野外公演
について書かれているブログが有りました。リンクはコチラから 。



2010年5月19日水曜日

今回の戦利品 ELM お地蔵さん現わる





今回の戦利品はフレッシュです、伐採後放置されていないので
シミや腐食が一切有りません。大きい物で直径二尺以上の物も有る。
写真では見にくいが入り口のドアと比較してもかなり大きいですよ。

樹木を切るのは自然破壊と思ってしまう方が居るかもしれない。
樹木は種子が飛び散り人間が意図しない所にも勝手に生えてきます
今回のようにお寺に成長した大木が覆いかぶさると建物が潰される可能性がある。
そしてまた日陰に成ってしまい建物や人にも悪影響を及ぼす事に成る。

人間による樹木の伐採は時に必用な事なのです。
この竹薮の中にはニレ科の種子が多く広がって居ました。
英名エルムのこのアキニレかハルニレとニレ科であるエノキなども生えていました。
これらの樹木は勝手に生えて成長して来ていたのです。

伐採の後、檀家の人たちはお寺が明るくなったと喜んでいます。
空師の前田さんは工事終了後、清掃をしている際に落ち葉の中に埋もれていた
お地蔵さんを見付けました。そしてそれはとっても嬉しそうに見えたのです。

樹木を伐採するというのは生命を絶つと言うイメージが大きかったのですが
人間が生活して行く上で整備して行かないといけない物も有るのです。



2010年5月13日木曜日

サントリー山崎 空師 ニレの白色美人 Japanese ELM

京都、大阪間の阪急電車に乗ると途中山裾に見えるのがこのサントリー山崎
空師、前田造園の兄貴から突然電話があった「ニレ、エノキ有るけど要らんか」
仕事も遅れていたので普通なら離れられなかったが二つ返事で「行きます、どこですか」
伐採の現場はサントリー山崎のすぐ下の竹やぶの中だった。
木の上から手元の下の人間をまくしたてていたのが前田造園の前田さん
空師の仕事は体を張った命がけです、仕事人に怪我をさせられないし声もデッカい
そして口も荒い、それぐらいしないと現場の緊張感が保てないのだ。
彼が命を張って仕事をしていてくれるお陰で仕事人は養われているのだ。

木が欲しい、分けてもらうのならこっちの都合なんて言ってられない。
積み込みが済むまで仕事を手伝うのが義理というもの、そんな気持ちで現場に行く。
前田さんには以前、大阪森林組合の方に口をきいてもらったがその後何も無かったが、
今回は自分の現場で材木処分の為に呼んでもらえた、これは飛んで行くしか無い。

今回は竹やぶの横に有るお寺に覆いかぶさったニレの木が大きくなったので
伐採の依頼が有ったようだ、他にも薮周りの木も切られる事に成っている。

ニレの木が数本、エノキ、そしてコルク樫ににたアベマキが一本あった。
どれもまだ自分で製材した事の無い木ばかりだった。

テレビ撮影のまえに今まで貯めておいた木を挽いたばかりだったのに
早速また大量の木がウチの工場にやって来る事に成った。
しかし今回の木は全て切りたてのホヤホヤ、雑木は鯖の様な物でアシが早い。
早く処理しないと朽ちるのも早い、製材が楽しみだ。

竹やぶの中の雑木の特徴は幹が真直ぐ長く、葉を竹の上に付ける。
このニレも見事に真直ぐ幹を伸ばしていた。

直径一尺までは白だが、それを越えると赤が入っていた。
株には見事なコントラスト柄が出る、なんだかワクワクして来た。
赤身の広さは有用材の位置を示す物ではなく木の随と言う感じの物だった。
材木として有用なところは木肌の際まで使えそうだ。

ユニックでつり上げて立てるとポトポト水が落ちて来た、導管が大きいからだ

持ち帰って早速一本非挽いてみた、赤身の無いところは見事に真っ白美人。
さすがケヤキはニレ科だけ有って、ケヤキを白くした様な感じ。
導管が大きくまるでアッシュのようだ。樹皮はペロ〜ンとめくれ木肌が奇麗。
このへんはちょっとケヤキとは違うところです。
ニレは英名エルムです、西海岸ではあまり見かけない材木でした。

「ニレさんは板目がハッキリとした、木肌も奇麗な白色美人です」

この木の生かし方でやってみたいなと思ったのは貴重な赤を生かす事。
心去りで挽いた後の板を、赤白のストライプやモザイクで使う事など
共木から出来た天然のコントラストを奇麗に見せたい。






2010年5月11日火曜日

NHK京都 ニュース610「京のええとこ連れてって」収録




NHK京都の収録がありました。
放送はNHK総合ですが京都エリアのみの放送に成ります。

京都の2チャンネル、又はUHF 32チャンネルで
5月14日(金)PM6:10 ニュース610 の中の
「京のええとこ連れてって」で6時半頃からの8分間放送されます。

内容は原木から製材、そしてキッチンスツールをキャスターの方と一脚完成させます。
私がアメリカから精華町に移り現在の木工の考え方などについて放送されます。
けいはんなの方もUHF32で見る事が出来ると思います。

このコーナーに呼び寄せて頂いた制作ディレクターの出雲さんには本当に感謝します。
出雲さんは法政大学野球部のコーチをされていて現在のポジションに着かれていますが
未経経験者の彼が引き抜かれたのも、法政大の野球部の経歴に礼儀正しさや情熱感を
感じられたからだと思います。この度は番組作りに参加出来て良い思い出に成りました。
これからも頑張りますのでまたなにかあれば使って下さい。

出雲さんはカメラ後方の白いシャツの方です、
背中のカバンには収録された16ミリフィルムがいっぱいは行っています。
撮影はディレクター、キャスター、カメラ、録音とバンの運転手さん
小雨のなか屋外のロケもありご苦労様でした、また宜しくお願いします。

今回番組で書いた私の一言

「木を生かし 人仕事終れば また人仕事来る」