2009年10月19日月曜日

Chest / Dovetail ダヴテール



西洋家具、とくにチッペンデールなどの箱物の継ぎ手は dovetail joint が使用される。

よく目につく所は引出しの部分だが、本体のフレームや足の部分にも使用されている。
そのほとんどは half blind dovetail と言う半分隠された所に使用する、
他にsliding dovetail は引出しの間仕切りの部分に使用したりする。

西洋式で箱物を作る時はダヴテール・モードにスイッチを切り替える、
ルーターで雄も雌も切り込む事が出来るが「手で仕上げた方が安全だ」。

機械が切り込むスピードは人間の予測を越えるので角が飛んでしまったり
ルーターが暴れて大きく切ってしまったりするからだ。

手に技術を付ける事はルーターやジグも作らなくていいのでとってもシンプルです
鋸とのみと差し金が有れば出来るのだから作業をold time にすれば良いだけのことです。

難しそうだが数をこなせば仕事量と作業時間が分かってくる。
糊とビスをあまり使わないので修理も部分修理が出来、発想は日本建築の様な感じ。

dove-tail とは鳩の尾の意味。

使用する場所により幅や深さが変わってくるがよく使う角度は15度
隅の部分が普通のノミでは奇麗に切れないので私は専用のノミを使用する。

普通のノミの横をグラインダーで落とし三面磨ぎにしておく
大中小とつぶしても良い程度のノミを改造しdove用にしておく。

西洋家具の箱物を作る時は先ずこのノミを出して来て磨いでおくのだ。




2009年10月16日金曜日

Chest / 木取り レイアウト



今日は木取りをしました。この作業で家具の木目の柄が決まります。
部分的にラミネート(張り合わせ)になる部分は糊をしてくランプしておきました。


2009年10月14日水曜日

Design お客さんの希望、私の希望



お客さんの描いた希望するチェストのスケッチ

私が作りたいチェストのスケッチ

板としばらく向き合ってみてこんな物が作ってみたいと思ったのか上のスケッチです。

シンメトリーでブックマッチング(左右対称)のモザイク、丸の部分は彫り込みの引き手。
上と下にチッペンデールのディテールを施した私なりの現代家具です。

一本丸太の揃った板を使用する一番の醍醐味は、切断面を本の様に開いた時に出る
同じ木目の柄、これをブックマッチングと言う。
この板ではあまり長く広い板が取れないので柄の面白い板を二枚ずつ用意し
ルービックキューブの様にモザイクで並べてみたかったのです。

完全なお任せで有ればこれを作っていたのですが、
お客さんに聞いたところ、やはり初めに描かれたスケッチのような
アンティーク風を希望されているのでここは希望通りにしなくてはならない。

明日から英国、チッペンデール風にこの板を仕上げていきます。




2009年10月11日日曜日

木の仕事展 ’09





「木の仕事の会」の主催する「木の仕事展’09」に出展致します。

木の仕事展 ’09 

開催日:11月6日(金)〜9日(月)2009年   9:30~17:00

場所:大阪市立クラフトパーク 
547-0012 大阪市平野区長吉六反1-8-44



「木の仕事展’09」ホームページはコチラ

大阪市立クラフトパークのアクセス/ホームページはコチラ


今から作品を作り始めますので最新作の出展となります。
「早よ作らな」

ご来場お待ちしております。

家具について、木について、artについて語り合いましょう。 




2009年10月8日木曜日

山桜に次の命を



2008年1月11日、鹿背山の山中さんの敷地内にある大きな山桜を切る事になった。
土砂崩れが起こる可能性のある斜面を市の整備によっての工事が行われた。
そこでこの山桜を利用して後に家具(Chest)を作って欲しいとの事で
伐採をされている空師さんに指示をして木取りをして欲しいと頼まれた。



背の高い大きな山桜ではあるがそんなに幹は太く大きい訳でもな
根元の太い所などの木目には興味が湧く。



「永い間ここで春になると花を咲かせていた山桜さんご苦労さんでした」
事情がありちょん切らさせてもらいました。
しかし、あなたが今まで見せた事のない木目を生かして家具となり
またこの地に帰り、別の命となり山中さんに使ってもらいます。


夏が終わり葉が散り、春が来て養分を枝に送る前の
ちょうど寒さで寝たはった所の山桜です。
冬のこの時期に伐採した木は状態が良い材木が採取出来ます。


そして 2009年1月21日、
伐採してから外で丸太乾燥させたこの山桜を板状に製材機で挽きました。
伐採後すぐに挽くとボトボトで板を乾燥させる時に割れや反りが起こると思い
一年後に挽く事にしていたのです。


「ジャーン!出ました、あんたってこんなんやったんか」
「ウワーむっちゃタイプ」



ある程度太い幹だけを板にする、一寸、寸五、30ミリ前後の厚みを取る。
挽けば濡れてるがボトではない。この段階では割れ止めの為に
うすめた木工用ボンドを小口と木裏を重点的に塗っておく。


立てて乾燥さすと樹液が下がるので乾燥が早い。

去年の一月に切り、今年の一月に挽いた山桜、
来年の年明けに作ると言っていたチェストを今から始める事にしました。

乾燥の度合いは木の種類にもよるし、そしてその木にもよる。
10年乾燥したから良いと言う訳でもないと思う。
少し早いかもしれませんが感覚で、もういけると判断しました。

11月に展覧会があるのでこの作品をそこで展示しようと思ってます。
山中さんにも了解を得ました。さて、どうなるかな。



2009年10月5日月曜日

栗の木 / Chestnuts







工場の近くにある栗の木です、ぽろぽろイガが落ちているので、
よそさんの栗ですが道まで落ちて来ている物をいくつかちょうだいした。

蒸した後にフライパンで煎って食べてみたがやっぱり一晩塩水に漬けておいた方が
もっと甘く食べれた様に思う、また今度やってみよう。

秋になるとこうして実やドングリが出てくるので木の種類が分かってくる。
そのなかでも栗は特に分かりやすい木の一つでもある。

桃栗三年、柿八年というが三年目の栗は小さくてまだまだ食べれないと思う。
写真の栗の木の幹はそんなに大きくないが充分に成熟している
実をつけている今は樹皮が赤身をおびてか何か出産に似た様な迫力がを感じさせる。

栗は英語で Chestnuts と言う、この木もいろいろ種類が有るのに違いない、
アメリカの栗の木では wormy chestnuts と言う名の板を良く見かけた
hard wood 専門店に行くとたまに置いてある、この板は wormy(虫)と言うだけ有って
虫の穴だらけの板なのだ、言わばそれが味で売られていた。

このwormy chestnuts を見てから虫穴に関しての価値観が変わったと思える
虫に食われやすい木もそれはそれで表情として認めると立派な材木として使用出来る
今、工場の前には松枯れの松がありどんな虫穴になっているのか楽しみなのだ。

栗は木はブナ科の樹木で板はオークによく似ている、
しかし同じ様な導管は有るがオーク、ナラ、樫などに見える虎斑が見えない。

日本で栗の木を使ったのは先日フローリングで買った材料が初めてで
自分にとってはまだまだなじみの少ない木なのだ。
きっと写真のフローリング材の栗は中国産だと思う、虫穴をはぶいて加工してある。

栗は単葉の葉っぱで長くて端がギザギザに鋸状になっているのが特徴だ。
木を特定するには葉っぱの付き方やカタチでも分かるが秋になるとドングリが
出てくるのでもっと詳しく種類が特定しやすくなる、これからいろいろ調べてみよう。