2014年12月27日土曜日

クリスマス WターキーBBQ 七面鳥の焼き方



日本は肉食文化が浅いというか肉の食べ方をあまり知らない。
アメリカから帰国すると日本のマーケットでは薄肉しか売ってなく
肉食の体になっていた自分にはまったく物足りない感じをいつも受けていた。

道東の別海町で酪農を半年間経験したことがある。
あの時も搾乳はされていたが乳製品の他の文化がまったくなく
バターやヨーグルトなどほかの加工品を作ることはなかった。

チベットのテントの中ではヤクの肉を燻製にし
ミルクはバターにしてバター茶を作り、そしてヒョーというヨーグルトを作っていた。
これは肉食文化が発達しているから出来るのである。

コストコにはアメリカの肉(USDA)がアメリカのサイズで置かれている。
七面鳥(ターキー)はアメリカの感謝祭では先住民にご馳走したという意味で
必ず一年に一回は食すというか家庭で料理される。またクリスマスにも出てきます。
今回はそのターキーの焼き方をここでお教えいたします。

今年の12月21日は二箇所でターキーを二匹焼き沢山の人たちに食べてもらいました。
一つ目は朝から焼き始め蔵のボランティアの方たちにご馳走しまし
もう1つは友達の家で生活サーカスという人たちとのパーティで焼きました。
そこでは他にポークリブ、4枚のアバラ肉とローストビーフ
ターキーの細切れ肉でターキーサンドとローストビーフでタコスも作りました。
こんなに一日中BBQをやったのは初めてだった朝から夜まで。




七面鳥(ターキー)の焼き方

日本のコストコで売られているターキーは7キロ弱で約15ポンド程度のものです。
これはターキーではあまり大きくありません。
大きなものだと21ポンド以上あり10キロほどのものになります。

解凍

冷凍のターキーは解凍するのに常温解凍では丸一日ほど掛かります。
前日に買って一晩置いておく程度ではまだカチカチです。

凍っているターキーでも早く準備するには。
袋から出し水を流しておくと早く解凍できます。
そしてまず股を開き腹の中に入っているネックを取り出します。
そして首のところには皮の中にビニールで包まれた内臓があるので
それも取り出します。

ネックと内臓の袋を取り出すと腹の中の氷を水で流し全体を水洗いします。

ネックでブロスを作る

ネックを水に浸け弱火でブロスを作ります。
この出汁はスタッフィングとグレービーソースに使います。
ここでは味付けなし、薪ストーブで暖めました。




24インチのWeeberグリル 直径600ミリ

日本ではターキーが入るような大きさのオーブンを持っている方は少ないです。
そこで大きな肉を焼くのに必要なものがフタ付きのBBQグリルです。
なかでもこのウィーバー・グリルはフタが高いので10キロのターキーも焼けます。
コストコで13000円ぐらいかな。

このグリルの使いかたをマスターすると大きな肉も中まで料理することが出来ます。

スロークッキングをするにはフタをしてまず火をつけない。
そしてベントの開け閉めによる酸素供給量で温度調節をすると言うことです。

この網には持ち手がありその脇に少しの空きスペースがあります。
炭を左右に寄せてその空きスペースから炭を落とし足してゆきます。
そうるることでターキーを乗せたまま炭を足していくことが出来るのです。
炭が小さくなると少しずつ大きさにもよりますが足してゆけばいいのです。

ターキーを焼く時はターキーの油を取るのでトレーなどを下に引きます。
ここでは瀬戸物の皿を挽き焼きました。









焼きぐわい

アメリカではターキーは嫌いだという方も結構いた。
それは最初に食べた印象が良くなかったからだと思う、美味しくなかったのだ。
その原因のひとつに焼き方がある。

アメリカ在住の日本人のお宅でもホリデーシーズンになると
オーブンでターキーを焼かれるところは多い。
華氏350度で焼く、摂氏にすると176度ほど大きさによってその焼くながさは異なるが
生は怖いといって4時間も5時間も焼くとかすかすになってしまう。
そんなターキーを始めに食べると嫌いになるのだ。

僕が始めて頂いたところは最高に上手な家庭で何年もそこでご馳走になった。
なのでターキーミールは僕の大好物のひとつなのです。

さてターキーの焼きぐわいについてこんな感じです。
6~7キロほどのターキーで3時間ほどで焼きました。
グリルは下と上の空気穴のベントは全開で炭を足しながら焼きます。
フタをしているので火加減が分かりませんがフタを触ると熱さが分かります。
あまり熱くないと焼けた炭を足してください。
数字や温度では分かりにくいので焼けた目安になるのは音です。
「始めちょろちょろ中パッパ赤子泣いてもフタ取るな」
というのは米を炊く時ですが、炊飯器ではなく鍋や飯盒で焚くと
泡や汁が噴出す時があります。
その噴出す水分がとまりしばらくすると少しこげた匂いがします。
米の場合そこで出来上がりとなりますが。
ターキーも同じである程度中まで火が通ると
ジュージューポチョポチョと油が落ちてきます、それが焼きあがまじかの合図です。
火を緩めずにその落ちる油が止まれば焼けてます。
コストコのターキーでそれが大体3時間ぐらいです。
焼ければグリルから出し少し置きます。
骨の辺りに血が残っていても少し置くと血も収まります。



グレービーソースの作り方

ターキーから落ちた油を取ります。
まずネックのブロスとこの油を混ぜ火にかけます。
お玉で混ぜながら水で溶いたコーンスターチを入れます。
まさにうどんの餡かけを作るみたいなものです。
それに塩コショウで味をつければ出来上がりです。
油と分離するので良く混ぜて暖めながらターキーミールにかけます。


  
ターキーの切り方

ターキーの切り方はお客さんへのサーブの仕方ともいえます。
これが出来ないとぐちゃぐちゃになりながら食べる事になり
とっても汚い食べ残しになり無駄が多くなります。

焼きあがっターキーからフタッフィングを出すのは後でも先でもかまいません。
ふくらはぎとモモの部分は赤身と言う部分です。まず足を外します。
皮に切れ目を入れ足を伸ばし関節に包丁を入れ外します。
ふくらはぎとモモが取れたら白身の胸肉をとります。
この胸肉のとり方がポイントなります!

ターキーフィレットを取るにはターキーがあお向けにけになった状態で
胸の下に包丁で深く切れ目を入れます。
そして胸の上の部分からフィレット状に皮付きで切ってゆきます。
そうすると白身のブレス(胸)がフィレット状で取れます。
ある意味ここが一番のターキーミールとも言えます。
しっとりとしたブレスが取れれば最高です!
上の写真参照。

後はもうばらばらに骨の関節ごとに外してゆけばよいのです。


ターキーの食べ方

食べ方は好きなように食べればよいのですがアメリカではこうです。
この大きなターキーを5人程度の家族では一度に食べ切れません。
初日はターキーミール
プレートにターキーのブレスや足を乗せスタッフィングとマッシュポテトなどを添えます。
グレービーソースを全ての食べ物に掛けて食べます。
ターキーの油をいっぱい含んだグレービーはファットですが
アメリカ人はこれが大好きなのです。
油まみれになたお口直しに甘酸っぱい赤いクランベリーをちょっと食べるのです。
缶で売られているクランベリーは日本人には不人気ですが
ターキーミールには欠かせないものだと思っています。
フランスの柿の食べ方に熟じ柿とヨーグルトを混ぜて食べますが
このようなものを添えてもいいかもしれません。
そしてターキーミールをいっぱい食べた後は寝る。寝ます。
そして起きてからケーキを食べます。
二日目はミールかターキーサンドイッチで食べます。


ターキーサンドの作り方

パンは薄めでかりっと焼くのが好きです。
ぼくはブレッドナイフで5枚入りの食パンを半分に薄く切ります。
パンはグリルで焦げめを付けてターキーの細切れを乗せます。
それにマヨネーズをかけて食パンではさみ手で押さえつけてぺしゃんこにして食べます。
お好みでチーズを入れて溶かしても美味しいです。
ぼくはぺしゃんこにして食べるのがすきです。


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以上、ターキーの焼き方でした。
アメリカ建国の際には原住民のインディアンから土地をいただき
そのお礼としてこのターキーミールをご馳走したということで
インディアンにとってはとても皮肉な食べ物になります。
いずれにせよ西洋の食文化、とくに肉の食べ方は日本とは比になりません。
ウチの近くの猟友会の人たちも猪や鹿を食べられていますが
一頭さばいてもせっせと肉を細切れにして鍋で食べられています。
本当の肉食文化のあるところではこういう風には食べないのです。
しかし魚をはじめ海のものの食べ方は日本は進んでいます。
鯨もそうですね。

蔵の筋交いと塗りたての中塗り
蔵のボランティアの人たち

バーベキューリブ



生活サーカスの忘年会 2014 浅田邸にて









2014年12月14日日曜日

郷蔵の土壁用の土作り 試行錯誤



夏から何度も土壁の作業をやってきたが仕上げをするような土にはなっていない。
改良を重ねれはいるが上塗りをするような土には未だ達成していない状況だ。
今までの失敗と思われる状況は以下の点である。

  • 乾燥すると大きな割れが入るが下塗りでは許せる範囲
  • ユンボッで練っているが他の混合物が入る。
  • 平らな平面に塗ると翌日に落ちてしまった
などの点で上塗りを掛けるまでには改良する点がいろいろある。
ウチの従兄弟の家族は社寺の左官をやっているので土作りについて聞いてみると。
藁(わら)を入れて発酵させてのりの成分を生かした土にしないと割れるし落ちるという。
また粘土質の土だけでは割れやすいので砂を入れる必要があるらしい。
それらの点を注意して10月末に以下のようにして土を作ってみた。



3トンのユンボで郷蔵の前に大きな土をこねる舟を作る



大きな船、広葉樹の板で穴を囲む。
ユンボのバケットで不要なものを混ぜてしまわないために。




小さめの船も作った。
小さいといっても積載量350キロの軽トラに積んだ土が10杯は入ります。



土と藁を混ぜて様子を見ながら砂を入れていきます。
最終的な比率は

粘土 1
砂 1/4
藁 粘土と同量の体積分ほど

粘土に対しての砂は 4対1ほど
藁の量は粘土の同じぐらいの体積で入れました。



藁の押し切りで指ほどの長さに切り混ぜる


かなり多くの藁を入れても混ぜると体積も少なくなります。


ユンボで充分に隅々間で混ぜ水を浸しカーペットやブルーシートでカバーする。


これで充分に藁の成分も生かせると思います。
土を寝かす期間は人によって色々な意見がありますが一ヶ月半ほどで一度使ってみます。
この土くくりは関東と関西では違いそして取れる土によっても異なります。
経験が豊富だとその環境や性質にも対応できるでしょうが。
僕の場合失敗を重ね改良して最終的に仕上げられるようにしなくてなりません。
何しろ一人でやってくれと頼まれているので得意分野と不得意分野もやらされているわけです。
だけどこうして作っていると特にこの地域の場合、瓦も含めて蔵を建てる
全てのものがこの地域で採取できるもので出来てしますのです。
これが昔は当たり前のようなことであっても今では何でも店で買うので
不思議に思われてきます。



2014年12月9日火曜日

サントリー山崎「マッサン」の森から


NHKの朝の連ドラは家族でよく観ています。
なかでも好んで見るドラマは職人ものなど作るものが多い。
マッサン、ごちそうさん、カーネーション、ゲゲゲの女房など
ストーリーの初めはつまずき転び上手くいかないところは
自分に置き換えて共感するが、そのうち出世してうらやましくなる。
まあだいたい自分も頑張ららなと思いながら観ている。

マッサンもとうとうウイスキー作りをすることになりましたね。
先週エリーちゃんと山崎に下見に行きました。
そこでテレビに山崎の森が映ると思い出した。
2010年の5月、サントリー山崎のすぐ下にある森からJRの電線に
覆いかぶさっていた木を伐採する工事で
そこから出た木を分けてもらえることになったことを。

森といっても竹やぶが多くその中に生えていた雑木だった。
そこからは大量の英名エルム、日本名ニレという木をもらえた。
今はもう全て加工して手元には無いがこれで色々作った。
椅子、テーブル、カウンタ^ー、バースツールなど
それまで使ったことのない木だったが今では
木目や切った時のにおいでニレが分かるようになった。
竹やぶの中にある雑木は竹の上に葉を付けるので
幹が長く本当に良質のニレだった。







2014年12月1日月曜日

郷蔵の修復つづく


江戸時代の年貢米が収められていた郷蔵の修復は今も続いています。
修復といってもこの蔵は20年前に移築されたものでその持ち主から
常雇いで仕事をさせてもらっているところなのです。
そのおじさんの志を継いで後に使用できるように僕の仕事満載で仕上げています。

数日前、昔木津高校で使われていたという
石炭用ストーブをここに持ち込むことが出来た、薪で使用しています。
これで明日からの寒波もしのげそうです。
この冬はここでこのストーブと共に仕事をしてゆきます。