2009年11月30日月曜日

Cabinet




12月6日のキャビネット講習は現在3人の予約頂を頂いております有り難うございます。

ここでキャビネットに付いて述べておこうと思います。
以下のサイトはアメリカのホームセンターで注文を受けている
キャビネット会社のサイトです。

Thomasvill のサイトはコチラ

Kraft maid のサイトはコチラ

American woodmark のサイトはコチラ 


アメリカで開発されたキャビネットのシステム:

アメリカは国土が広く人口も多いので需要も多くそれを満たすだけの供給が必要です。
2X4の建築はそれらの供給を満たせるように簡単で強度の有る作り方を開発された物です

そして建築物に付属するキャビネットも同じ様に簡単な作り方を開発されていますが
日本にはまだほとんど渡っていないのが現状です。




2009年11月26日木曜日

木工教習 Cabinet making "Face frame"


12月6日(日)精華スタジオの工房で
キャビネットの作り方の木工講習を行います。


今回は初めて私の工房で木工講習(Woodworking class)を開く事に致しました。
講習内容は「キャビネットの作り方」です。

ここで言うキャビネットとは建物に備え付ける家具の事を言います。
西洋の建築物には昔からからキャビネットと言う建物に備え付けた家具があり
近代の家屋にもキッチンキャビネットやバニティー、クローゼット、ストレッジなど
新築が出来るとCabinet makerと言う職人さんが家具を取り付けにくるのが一般的です。

日本の様にメーカーが作ったキッチンや洗面所の家具を取り付けるだけでなく
キャビネットメーカーがお好みの木材と仕上げでカスタムのキャビネットを作ります。

アメリカでのキャビネットメーカーが作るキャビネットとは
 "Face frame"と言う工法で家具が作られています。

この工法は日本ではまだ普及していません。それには金具の普及や
サンディングカンパニー、ドアカンパニーなどの分業業者がない事も有りますが
「システム32」と言う工法がまだ半分程しか普及していない事でもあります。

この "Face frame" と言う作り方を知る事により一定の法則の構造で
表だけを変える事で様々なタイプの備え付けの家具が可能になります。

表面の限られた部分に必要最低限な仕上げ材を使用する事で
ボリュームのあるキャビネットも経済的にそして材料の算出も簡単に出来ます。

独学で家具製作を始められた方や、木工設備が整っていない木工家の方などにも
簡単に作れる方法を講習しますので興味の有る方お気軽にお越し下さい。

木工講習 Cabinet making "Face frame"

日時:12月6日(日)12:00~5:00 PM
場所:Wodworking shop 精華スタジオ
住所:619-0200 京都府相楽郡精華町北稲八間中ノ谷11-1
講習費:3,000円


講習内容:


Face frame 工法
キャビネットの取り付け方
壁から壁へのキャビネットの納め方
引出しと扉の納まり
回り斑(モルディング)の有効な使い方
材料の算出、見積もり方法


雑木の製材(樹木と木材)
製材した雑木を少しですがお持ち帰り頂けます。


所在地の地図はコチラ から(地図上のきみどり工房とはお隣です)

下の写真は現在作成中の本棚です、このキャビネットを基に講習を行います。

下の写真はベニアの溝付けと棚受けを作っているところです。












2009年11月21日土曜日

下鴨洋室 開始


この木、何の木?「イチョウの雌雄異株」編 答え

A.  雌株(メス)

B. 雄株(オス)

イチョウは春にオス株が花粉を飛ばし、メス株が受粉する。
数キロ離れていても受粉すると言う事だからメス株は枝を伸ばして広げているのだろう。

そして種子の銀杏も広く散布出来る様に枝を横に広げている。

オスは主幹を真直ぐに伸ばして背伸びして花粉を出来るだけ広く風に飛ばす為に
立っている様に見える。樹木辞典などにもいろいろ書かれているが
神様の作る地球上の生物の仕組みは人間も樹木もよく似た所が有る様に思う。



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京都下鴨の町家の二階を様式の書斎に改装致します。
先日、24号線の城陽平川の交差点にある松本木材でその材料を入手した。

ここではキャビネットとドアに使う杉材と机に使うケヤキを購入
「よそでこの値段で買ってる」と言うとその値段まで下げてくれるのがここの社長です。

ここの材料は横流しの材料屋ではなく丸太から弾いてくれる材木店です。
今回入手した40枚の足場板は平積みされていたカラカラの材を夕方に息子さんと三人で
引っ張り出してトラックに積み込んだ。

材料の扱いが丁寧でいつ行っても割れ止めや積み替えなどをされている
この足場板は耳付きの材料で小口には波釘は打たず、そして割れていない物だった。

素材を生かし材料の手入れが良いので割れも少なくそれやねじりも少なかった。
寿司屋で言えば卵のうまい、パン屋で言えばそのとき切ってくれるそんな材木店です。

まとめ買いした事もあったけど赤身のケヤキをタモやナラ程度の値段で分けてもらえた。
こういう建材を扱う材木店では建築用材に使う針葉樹は揃えてあるが
広葉樹は好みで置かれている。ここの社長は「オレはあんまりタモはすきやないねん」
と言う事でナラやタモはほとんどない、その代わりに多いのがケヤキ。
この予算でこれとこれとこれと選んだ三丁のケヤキは社長を困らせていた。

「分かってますって、また買いに来ます」







2009年11月19日木曜日

下鴨神社 ホオノキとイチョウ / この木、何の木?


今日は仕事のついでに下鴨神社に寄ってみた。
この神社にある糺(ただす)の森は樹齢数百年の巨木が立ち並ぶ街中にある森なのです。

境内に入るとすぐに目についたのが右手に有ったホオノキだった。
葉っぱの大きい木なのですぐに分かる、山にこの木が有ると猟師さんは
穴を掘り枝とこのホオノキをかぶせ猪の罠を作ったと言う。
版画や下駄などの木工製品にも使われている、英名はマグノリア白い大きな花が咲く。



そしてひときわ目立ったのが、朱色の太鼓橋と鳥居のコントラストが
すばらしい老木のイチョウだった。

主幹が真直ぐに立ち葉は扇形で葉先が割れていて水鳥の水かきに似ているので
中国では鴨脚(やーちゃう)と言いそれが訛り日本ではイチョウに成った。

この樹木は特殊な木で針葉樹にも広葉樹にも属さないイチョウ科なのだ。
「生きている化石」や「中世の生き残り」とも言われ
古代には葉の化石などから大量に茂っていたらしい。

銀杏(ぎんなん)はどのイチョウにも成ると言う訳ではない
この木は雌雄異株(しゅういいしゅ)といい雌株と雄株があり
銀杏はその雌株(メス)になるのだ。

この木、何の木?「イチョウの雌雄異株」編

イチョウの木は雌雄を花や種子を見なくても外観で判断する事が出来ます。
必ずでは有りませんが概ねそういう傾向が有る。

さて、A.とB.の写真は雌株と雄株なのですがどちらがどちらなのでしょうか?

A.

B.

答えは次のブログで。





2009年11月16日月曜日

伐採される樹木とその行き先



今日は木を伐採する空師さんの紹介で伐採の現場を見せてもらった。
そしてその後、大阪府森林組合の事務所も紹介していただいた。

現場は茨木市にあるゴルフ場で写真のポプラや
他にユーカリ、ミモザ、ヒマラヤ杉などが伐採されていた。

喉から手が出る程欲しかったのですが、森林組合の仕事で
処分先は指定されているチップ工場に行く為、頂く事は出来なかった。

大阪府森林組合から処分する木を分けてもらう時が来るのだろうか。

この木、何の木?「かしのき公園」編の答えは 2. でした。

1.ケヤキ
2.アラガシ
3.クスノキ

カシ類は秋にドングリの出来るブナ科のグループです。
英名のオークとはこの木なのですが産地によって質は異なります。
オークはブナ科のナラ、カシどちらにも値するようです。
一般的にカシは常緑樹、ナラは落葉樹です。
逆に北米のオークは日本の鉋の台には適していません。


2009年11月15日日曜日

この木、何の木?「かしのき公園」編


「樫の木モック」はカシから出来ています。
ディズニーの「ピノキオ」はオークから出来ています。
原作の「ピノキオの冒険」は Pino なのでパイン、松と言われています。

オークは樫ともナラとも言われていますがどちらなのでしょう?

今日の午後、樫が見たくなり近くの「かしのき公園」へカシを観に行きました。
かしのき公園にはカシが有ります。

行って調べてみると数種類の木が有りました、さてどれが樫の木なのでしょう。

この木、何の木?「かしのき公園」編

Q:かしのき公園にある三種類の木の特徴ををA.B.C.に現しました。
さて樫の木(アラガシ) はどの木でしょう。
他の木も分かるかな、聞けば分かる有名な種類の木です。
A.

かしのき公園の中央に一番大きく生えてます。
幹は楕円で樹皮がめくれています、樹皮には小さなぷつぷつが横シマ模様。
枝は鋭角に上へ上へと伸びていて落葉樹です。
小枝の先は細く節ごとにジグザグしていて葉の端は鋸状に成っています。
B.
公園の端に植えられていました、常緑樹です。
根は広く地上にも出ています、幹は根元から二本に分かれていました。
幹の模様は立て模様で枝は横に出ていてそこから小枝が垂直に上がっていました。
葉の先はとんがっていて端は途中より鋸状に成っています。
ドングリが沢山なっていました。ツリーハウスにもってこいです。
C.
常緑樹です、幹は深く縦に割れています。
主幹は短く枝は大きく半円状に広げていました。
葉先はとがています。黒い一センチ程の実をつけていました。
小枝を折って臭いでみるとメンソレータムの様な樟脳の臭いがしました。

答えは次のブログで。


山桜 姿を変えて 里帰り / ヤブツバキ


山桜、引出しのヒノキ、引出しのレールの椿、ハンドルの黒柿
全て元はこのお客さんの家に生えていた木です。

普通ならば京都府の伐採業者に処分されてチップ工場でクズになっていた物を
縁有って木の伐採時から呼んで頂きこうして家具となり里帰りする事が出来ました。

お客さんと共にこの木の精を生かしたと言う
合同のプロジェクトを仕上げた達成感がお互いに出来た様に思います。

これらの木が生えていた時の話など聞かさせてもらいました。
桜の見所は何も春だけでは有りません、今も見所なのです。

ソメイヨシノなどの桜は観賞用に奇麗なのは葉が出る前に花が咲くので
花だけが見えてとても奇麗に見えます。

山桜は葉が先に生えるので花は葉と混ざって見えます。
そしてこれらのバラ科である桜は落葉樹なので葉を落とす前に紅葉します。
そうですこの山桜は秋の紅葉がものすごく奇麗だったらしいです。
黄色からオレンジの色に見事に変わって行ったと言う事でした。

人を懐かしむ様に木を懐かしむ事が出来ました。
昔のアルバムも見せてもらいましたがいくら探してもこの木の姿は有りません
いつも庭で鑑賞してたのに写真に人は撮っても木は撮っていなかったのです。

でもこうして家具と成り家族に使ってもらえる事で
また新しい命でここに生きて行きます。




帰りに裏庭の椿を観に行きました。
これは二年前、山桜を伐採した時に枝をはらヤブツバキです。
一本は伐採して今回のチェスの引出しのレールに使いました。

この木は常緑樹で今もつやつやした緑が生えています。
この木を見て分かる事は二年前に剪定してから
まだこれだけしか葉が生えていないことなのです。

この木の特徴はものすごく堅く、あまり変形しない水分の少ない木でした。
これぞ最適と思い使用したのが引出しのレールでした、他にも取っ手など堅い物が
必要な所に最適です、細工仕掛けなどに良いと思います。

この木は養分の上げ下ろしが少ないなと思いました。
落葉樹の様に秋に葉が落ち春に葉を出す物は冬に成長が止まるが
春には養分を枝に送るので幹の水分も多く、養分が通る様に導管の大きい物も有ります。

しかしこのヤブツバキは常緑樹で落葉樹の様な養分の上げ下ろしは少なく
そして成長が遅いので木がものすごく堅かったです。

椿三十郎の映画では合図に赤と白の椿を流しますが
ここの椿は全て赤だそうです。




2009年11月13日金曜日

この木、何の木?


ウチの工場の前の景色です。
道路の向こうに赤く大きな木が紅葉しています、
近寄るとかなり高い、20メーター以上は有るでしょう。

幹のカタチは楕円形で長い直径が三尺程、短い直径が二尺程
木肌をみるとミミズがはったようなへこんだ跡が有ります。

幹の上の方に大きなこぶが有り、樹皮が剥がれています。
枝は上へ上へと丸く大きく広がっています。
これだけ大きいと葉っぱには手が届きません。

欅(ケヤキ)です。




2009年11月12日木曜日

和室を洋室に Remodeling room /「キャビネットの作り方」講座



京都の林海象監督のお宅の和室を洋室に変えます。

アメリカでよくやったのが洋室を和室に変える事
これは日本人大工にとってよくある仕事のひとつでした。
しかし今回は日本の和室を洋室に変えます。
洋室には拘りが有りますよ、年内完成予定。

今回、工場で作る本棚のキャビネットを基に
キャビネット製作の講座を開こうと思っています。
今月末または来月始めに行う予定です詳しくは近いうちに日程を決めますので
お気軽にご参加ください。


Cabinet maker が教える「キャビネットの作り方」


・Face frame(キャビネット構造)
・System 32(キャビネット金具)
・Wall to wall(キャビネットの逃げ)
・Molding(回り斑の仕舞い)


など他にも考えています。




2009年11月10日火曜日

「木の仕事展 ’09」出品作品 Chest & Windser










大阪市立クラフトパークにて「木の仕事展 '09」に出品した作品です。

今回初めて参加させて頂き、他の作家さん達との意見交換や木工についての
話が出来て大変有意義な楽しい時間でした、ご苦労様でした。

ここで私の出品した二種類の作品に付いてお話しします。


山桜の " Tiger chest"

京都府木津川市の山中様からの注文家具で製作したチェストです。
材料はすべて山中さんの自宅敷地内より採取した材木を使用しています。

去年の一月に伐採した山桜とヒノキ、椿を適材適所に使用しています。
山桜は側に使用し、ヒノキは引出し、そして堅くて変形の少ない椿は
引出しのレールに使用しました、ハンドルには以前に同じお宅から採取した
黒柿を使用しているので、全てここの家から取れた木を
タンスにして里帰りさせる事に成ります。

製作にあたっての特徴は、英国チッペンデール風に足をオギーフィートにして
箱物の作りを西洋式に仕上げてあります。
上段の二列の引出しにデザインを変えて隠し箱を取り付けました。
隠し箱はただ引き出すのではバレてしまうので、二段目の引出しの上に
スプリングで細工したスイッチを仕込みました。

お客さんの要望では角に置く事も有るので背面に三角の折りたたみの天板を
付けて欲しいと言う事と、アンンティーク風にして欲しいと言う事だった。

仕上げは最初アンティーク風にダークな色をつけたが、
この木の持つ独特な虎柄が消えてしまうので。

色物の染料や顔料は使わず、天然オイルと少しウレタンを混ぜ合わせた
アメリカの現代家具作家が使用するオイルフィニッシュで仕上げました。

この山桜が持つ天然の色やツヤを最大限に出す事が最高の仕上げだと思いました。


Windser chear " Jazz"

今回の展覧会の会期中に出来たのがこのウィンザー・チェアー。
古今東西、木工家の蘊蓄(うんちく)の的と成るのがウィンザーらしい。

箱物の他にこの短期間に何かもう一品ほしいと思い、
以前から作ってみたかったアメリカンなウィンザーを作る事にした。

この椅子には私なりの拘りが詰まっている。

一つはアメリカン・ウィンザーの特徴でもある広がりのある立体感の有るカタチ。

もう一つの拘りは 4月に伐採したクヌギを使用した事、
乾燥に何年もかけずに家具として出来ると言う事を体感したかったのだ。

今回の家具もまだまだ私の成長過程、古きを知ると言う事で
もっともっと自分のオリジナルを追求して行きたい。

このクヌギを採取した4月のブログはコチラです。