2010年5月13日木曜日

サントリー山崎 空師 ニレの白色美人 Japanese ELM

京都、大阪間の阪急電車に乗ると途中山裾に見えるのがこのサントリー山崎
空師、前田造園の兄貴から突然電話があった「ニレ、エノキ有るけど要らんか」
仕事も遅れていたので普通なら離れられなかったが二つ返事で「行きます、どこですか」
伐採の現場はサントリー山崎のすぐ下の竹やぶの中だった。
木の上から手元の下の人間をまくしたてていたのが前田造園の前田さん
空師の仕事は体を張った命がけです、仕事人に怪我をさせられないし声もデッカい
そして口も荒い、それぐらいしないと現場の緊張感が保てないのだ。
彼が命を張って仕事をしていてくれるお陰で仕事人は養われているのだ。

木が欲しい、分けてもらうのならこっちの都合なんて言ってられない。
積み込みが済むまで仕事を手伝うのが義理というもの、そんな気持ちで現場に行く。
前田さんには以前、大阪森林組合の方に口をきいてもらったがその後何も無かったが、
今回は自分の現場で材木処分の為に呼んでもらえた、これは飛んで行くしか無い。

今回は竹やぶの横に有るお寺に覆いかぶさったニレの木が大きくなったので
伐採の依頼が有ったようだ、他にも薮周りの木も切られる事に成っている。

ニレの木が数本、エノキ、そしてコルク樫ににたアベマキが一本あった。
どれもまだ自分で製材した事の無い木ばかりだった。

テレビ撮影のまえに今まで貯めておいた木を挽いたばかりだったのに
早速また大量の木がウチの工場にやって来る事に成った。
しかし今回の木は全て切りたてのホヤホヤ、雑木は鯖の様な物でアシが早い。
早く処理しないと朽ちるのも早い、製材が楽しみだ。

竹やぶの中の雑木の特徴は幹が真直ぐ長く、葉を竹の上に付ける。
このニレも見事に真直ぐ幹を伸ばしていた。

直径一尺までは白だが、それを越えると赤が入っていた。
株には見事なコントラスト柄が出る、なんだかワクワクして来た。
赤身の広さは有用材の位置を示す物ではなく木の随と言う感じの物だった。
材木として有用なところは木肌の際まで使えそうだ。

ユニックでつり上げて立てるとポトポト水が落ちて来た、導管が大きいからだ

持ち帰って早速一本非挽いてみた、赤身の無いところは見事に真っ白美人。
さすがケヤキはニレ科だけ有って、ケヤキを白くした様な感じ。
導管が大きくまるでアッシュのようだ。樹皮はペロ〜ンとめくれ木肌が奇麗。
このへんはちょっとケヤキとは違うところです。
ニレは英名エルムです、西海岸ではあまり見かけない材木でした。

「ニレさんは板目がハッキリとした、木肌も奇麗な白色美人です」

この木の生かし方でやってみたいなと思ったのは貴重な赤を生かす事。
心去りで挽いた後の板を、赤白のストライプやモザイクで使う事など
共木から出来た天然のコントラストを奇麗に見せたい。






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