2009年4月24日金曜日

クヌギの刺身取り



クヌギは環孔輻射材である。(かんこうふくしゃざい)

輻射(ふくしゃ)と言う言葉を辞書で引いてみると
「車の輻(や)の様に中央の一点から周囲に射出する。」とある。

この輻射のある木であるナラ、オーク、クリ、クヌギなどからはその輻射から生まれる、
虎斑(トラフ)、英語では1/4 sawn grainと言う虎の斑点の様な模様が出る。

この輻射材と人間との関わりは深く、これらの材木は薪として民家に近い山に
多く植林されて来た。乾燥に寄る割れは輻射部から起こり、割りやすく導管が大い為
空気が入りやすくなり燃えやすい、よって薪や木炭として使用されて来た。

戦利品のクヌギ直径40センチ、長さ120センチの株を柾目取りで挽いてみた。
柾目を取ると言う事はそこに虎斑が現れる事で、広い板を取るには無駄の多い取り方だ。

中心は外し、中心から左右二枚ずつ厚めの板を四枚取り、
残りは放射状に薄めの板を挽いた、すると赤身から白太にかけての見事な虎斑が現れた。

アメリカでこのクォター・ソウン・グレインは三倍程の値段で売られていて
しかもランバーラックにはバラバラの木目しか手に入らなかった代物だ。
それがプレーン・スライスでこんんなにまとまって取れるとは嬉しい。

この様な柄板を生かすには、厚板にして取るより薄板で柄を楽しむ方が効果的で
薄板の部分は箱物の側に使用する目的で挽いた。

しかしクヌギとの戦いはこれから、この暴れん坊をどう乾燥さすかが勝負になる。

Gustav Stickley できるかな? 楽しみやな〜ヒヒヒ」




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