2009年9月29日火曜日

BAR PICCOLO DUE スツール26脚 完成 大阪堺東










バースツール26脚がなんとか28日のオープニング・レセプションに間に合った
シルバーウィーク中に作り始めたので大変でした。

カウンターの腰に間接照明があたるので椅子はシルエットに成る、
光沢が出ない様にウレタンのつや消しの黒を使った。

あまり個性の強すぎないものをデザイナーが希望されていたので
シンプルでありながら強度のある物を考えて作りました。

28日はレセプションにもオーナーシェフの藤澤さんにお招きいただき
急な仕事でしたが、仕事終わりの達成感のある楽しい時間が持てました。

イベリコハムのホルダーは業者さんにも高評いただき
ハムの脂で山桜の木肌が艶を出し美味しそうに見えてました。
主役のハムを引立てる、ちょっと食べてみたいな〜と言う感じに成ってます。

カウンターがメインで、本格派シェフの料理
今、話題のダイニング・バーです。


BAR PICCOLO DUE  
Grand opening Sept.29th.09

location :560-0076 大阪府堺市堺区北瓦町2-2-2 
(南海堺東駅前りそな銀行西入ル)
姉妹店 PICCOLO CAPRICCIO ホームページはコチラ

店舗デザイン :株式会社インフィックス ホームページはコチラ



2009年9月25日金曜日

BAR PICCOLO DUE スツール26脚/steel bending



スティール・フレームのバースツール26脚作製中

カリフォルニア、ロングビーチにあったネイビーのシップヤードで
使用されていたベンダー、World War Ⅱ 物です。

BAR PICCOLO DUE スツール26脚、DUE DATE : Sept.26th
『まじっすか』


2009年9月22日火曜日

Ham holder 完成 / Forged Iron








大阪堺の新店舗 BAR PICCOLO DUE のイベリコハムのホルダーが出来ました。

鼻の下が長〜いスペインのおじさん、ちょびヒゲを生やし
高ーい鼻の上に、おっとサザエさん。

帰国して初めてコークスを燃やした。
これからは Blacksmith の季節やね、鉄を曲げるのは楽しい。


2009年9月20日日曜日

京都北白川 玄関引違戸 完成






京都の親戚のおじさんから頼まれた仕事です。

ここは中学の時分によく泊まりに来た家で一つ年上の従兄弟は野球部の先輩だった。
元々、屋久杉の格子戸が付いていたが40年程使用してとうとう壊れてしまった。

そこでウチの工場に有ったケヤキと楠(くす)を使い仕上げる事にした。
始め玄関に楠は臭いがきついのでどうかなとも思ったが
家具の引き出しにも使われているし、樟脳の臭いで頭もすっきりするだろう
他にも虫除けや神社の御神木にも多くなっているので魔除けの意味も有るらしい。

甲丸レールの交換もした。
コンクリート仕上げは従兄弟にやってもらう。この金具は日本特有の金具ではないか、
アメリカでは見かけなかった。二本の真鍮のレールを足と言う金具で繋ぎ
コンクリートの中に埋める、敷居の仕上げも熟練がないと出来ない。

ここのお宅の左官屋さんは京都でも有数の左官屋さんでして
左官屋さんの全国検定試験で日本一をを出した所です。
今年の12月からは知恩院さんで新規の工事が始まるらしい。
現在その一つ上の従兄弟が親方をやっている、すごいなあ。

北原左官工業のホームページはコチラ



2009年9月18日金曜日

Ham holder / base frame




キャラクター > 表情 > 個性 > 手仕事 > 美味そう
「食べてみたいな」


2009年9月17日木曜日

Ham holder / design & Wild cherry



大阪堺市のイタリアン・レストランPICCOLO CAPRICCIOのハムホルダー作成中
山桜と手打ちの鉄で作ります。

山桜の荒々しい木目をアクセントにハムを美味しそうに見せられるかな。


2009年9月12日土曜日

ケヤキをケヤキらしく。



これぞケヤキと言う仕上げ方は普段身の回りに有る物から影響を受けるもので
水屋やお盆、下駄箱やお屋敷の門扉や腰板などに使われている仕上げ方だ。

ケヤキは高級な材木でもあり日本では最も人気のある銘木とも言える
材木自身は中心部の赤身と外輪部の白太から構成されていて
赤身で板目の奇麗な物は一立米あたり百万を越えるものもある。

それほど人気があり高級な板を仕上げるにはそれなりの手間をかけている。
結構暴れやすい木でもあるのでよく乾燥された物でないと反れ上がってくる
そう意味でもケヤキの加工で仕上げは大切な行程と成る。

飴色のツヤが有り木目が美しく現れているケヤキの仕上げが
一番普段目にしているこれぞケヤキと言う仕上げではないだろうか。
この仕上げは日本の伝統的な木材塗装でもある生漆(きうるし)を使用した物で
行程は下地処理、塗り、湿度乾燥、磨ぎを重ね手間のいる仕事なのだ。

アメリカに居た時、日本的な物を要求されているとき
ケヤキに見せかけた仕上げをするときがたまに有った。
ケヤキは手に入らないのでホワイトオーク又はレッドオークに
WINWAXのゴールデンオークをクリヤーの塗料に混ぜて拭き仕上げしていたが、

さてそこで今は日本、端材では有るが本物のケヤキを前に
いかにケヤキらしく仕上げるかアメリカでの試行錯誤の経験を生かし
工場に有る塗料を調合して塗装してみる事にした。

アプリケーション(塗装方法)は拭き漆に近いワイピングステイン方法。
一種類のネタ(塗料)を着色調合して作る。

調合方法:

飴色を出すには飴を作る必要が有る
着色剤には油性の塗料に混ざる染料系ステインを使用する。
例えば大谷塗料のマイルドステイン、三精塗料製品などを使用した。

ステイン原色(ティント)の黄色、オレンジ、赤、黒などを混ぜて適当な色を作る。

ワイピングステインによくやる方法で一液性ウレタン・ニスと
煮亜麻煮油(ボイルドリンシードオイル)桐油(タンオイル)などを
大体同じ量混ぜてワイピングステインのネタを作る。

これに調色したステインの原色(ティント)を混ぜ合わした物が
飴色を出す飴に成るのだ。履けぬ利をして30分程してから拭き取る
それを一日置いて二回して今回は仕上げた。

なぜ三種類の塗料を混ぜるのかと言うと
ウレタンニスは乾きが早いがハケむらが出やすい、
そこで乾燥は遅いがツヤの良い亜麻煮油や桐油を混ぜる。

塗った後に拭き取って仕上げるのはハケ塗りや吹き付けと違い
比較的簡単で奇麗に仕上がるのです。

飴色のケヤキになってるでしょ。


京都北白川 玄関引違戸 ケヤキ



秋らしい空と雲になって来た工場の向かいの田んぼも稲刈りを始める。

親戚の家の仕事で玄関の引違戸を新しくして欲しいとの事で
ウチにあるケヤキを使いこれもまた予算節約で作ってあげる事に成った。

真鍮の甲丸レールを新しくコンクリートに埋め直し玄関周りの化粧板も交換する。


2009年9月10日木曜日

ネットでフローリングを買う。






 先週以前から聞いていた嫁の実家の床をフローリングに変える工事をやる事にした、
孫達が走りまくって暴れまくるので床を強化してほしいからだった。

親の仕事だから当然安く仕上げてあげようと思ってはいるが
しかし安くともそこそこ良い材料を使用してあげたかった。

そこで試しにネットでフローリングを探してみると以外と多く
そして良い物が安いではないか、ネットで買う事にした。

フローリング屋さんのさいとは結構駆使されていてみやすい所もある。
沢山有る種類の中から、木の種類別、平米単価別などに分かれ
簡単にお好みの物が検索出来る様になっている。

単価別で見ると塗装無しの針葉樹だと平米当たり二千円台からあったが
結局選んだ物はCASオンラインショップで無垢の栗、立て継のユニにした。

平米単価4800円程 一箱1.6平米入りで7900円
送料は一箱に対して500円別途にかかる

この辺りでも探せば特価で安くて良いものも有ったかもしれないが。
ネットでも材料の写真と詳細が分かり足を運ばなくても買るし
何より現場まで配達してくれるのはありがたい。

ネット床屋さんはネットワークで生産元や輸入元倉庫から発送されている
ようで中間業者が少ないので、種類も多く安いのだと思う。
今回は福岡からの在庫発送で発注して二日で付いた。


2009年9月8日火曜日

B.B.Q.王子のスロークッキング








日本では流し、西洋ではシンク。
日本では焼き肉、西洋ではバーベキュウ。

同意語の様だが意味合いが少し違う、
日本では水を流すと言うが一方では水を溜めると言う意味合い。
日本では薄切りの肉を網焼きで焼き肉にするが
西洋では大きな肉をグリルでスロークッキングする。

アメリカで見て来たバーベキューのグリルには必ずふたがり、
空気調整のベントが付いている。

一度の量の炭火をグリルに入れフタをしてベントを締めると
炭火は朝まで燃えてはいないが火が付いているのだ。
これはグリルをオーブンの状態にして使用しているので
大きな肉もゆっくり調理する事が出来る。

グリルの周りを囲み網焼きの肉を皆でつつくのも良し。
出来上がった肉をテーブルでサーブするのも良し。
これは肉食文化の違いから来る物であって私はどっちも好きです。

今年の春に宮大工の清水さんに誘われ一緒に害虫駆除の為に猪を捕りに行った。
罠にはウリ棒のシマがやっと消えたぐらいの小さい猪が捕まっていたのだ。
タケノコを食い荒らしたり農業の作物を荒らすので狩猟時期以外でも
役所に届けを出せば捕まえる事が出来る。

バットで頭をたたき気絶した所に喉元をナイフで切り竹串を心臓に差し込む
気の毒な気もするが売られている肉もどこかでこうして屠殺されている
せめてこの肉を無駄にせず食ってやると言うのが殺した事の償いですね。

そしてこの猪一頭丸ごと頂いたので工場に持ち帰りバラし冷蔵庫で貯蔵した
御陰でこの夏のバーベキューは肉を買わなくても良かったのだ。

この間のに日曜日に後ろ足をスモークしたので、簡単にスモークの仕方を説明します。

先ずはスモークするチップを水につけておく、今回は山桜のブロックを使った。
水につけておく事で燃えてしまわずに永くくすぶるからだ。

炭火を一番下の層に設置して、その上に肉の脂が落ちない様にしきりを作る
脂が炭火に落ちると火がついてしまい肉がこげてしまうからです。
スモークは火の直火を当てない様にするのがポイントです。
少し炭火から肉を離しゆっくり調理する事で肉の中まで火が通るのです。

後はこのサイズの肉で4時間程置いておくだけです。
一晩置いているとジャーキーの様になります。

私のバーベキュー、B.B.Q.王子のお話は今日はここまで
11月には七面鳥、ターキーを焼きますのでお楽しみに。


2009年9月5日土曜日

榧(カヤ)/碁盤と将棋盤





東大阪の金物団地からの帰り生駒山を登ろうと170号線を北に向かっていると
石切の手前右手に「碁盤と将棋盤 製造販売」と書いてあるカンバンが見えた。
夕方で後に予定もなかったのでどんな事されているのか工場を覗いてみた。

近寄ると機械の音がしている、中では直径三尺近く有りそうな丸鋸の昇降盤で
一尺角は有る無地の針葉樹らしい木をブロックに切られていた。
それは碁盤や将棋盤に使う榧(カヤ)の木だった。

職人さんが私の存在に気づいたが何も言われないので鉄の門扉の敷居の
所まで寄ってみるとモアッとした臭いがした、ん〜これが榧か。

年配のおじさんは切り終えた一尺厚は有りそうな榧のブロックの小口に
薄めた白い木工用ボンドを塗り始めた、乾燥による割れを防ぐ為だ。
既に10年乾燥させた木を切り、ここからまた数年乾燥さすらしい。

碁盤や将棋盤の様な大きなブロックは人工乾燥では中まで乾かず
後に表面が割れてくるため天然乾燥でゆっくり乾かさないと物に成らないと言う。

そして仕上げにはロウを前面に塗って仕上げるらしい
蜜蝋など天然のロウはいろいろ有るが、一番安い仕上げには
ロウソクのロウを溶かして塗り込むという。

確かにロウはワックスの役目をして、小口の息を止めて割れも防ぐし、
何より滑りが良いので盤には適している。

榧と言う木についてあまり知識がないのでいろいろ聞いてみた。
結構臭いがするので、榧を切った日は家まで臭いを持ち帰るらしい
「あんた今日榧切ったやろ、臭っ」と言われるらしい。

盤にするには心を外さないと使えないので直径一メータ程必要になる。
日本には少なくなり17年程前から中国産が入ってくる様になった。
今は輸入の規制が掛かる様になり入手も困難になって来たらしいが、
業者の知る話に寄ると大量の榧が国内のどこかに眠っているらしい。
安物盤にはスプルースが使用されていた。

榧は針葉樹で容姿を聞いてみると「もみ」にそっくりらしい。
直径一メーターにも成る幹だから背も高く枝を横に張って行くと言う。

榧ではないが「もみ」と言うとアルプスの少女ハイジでオンジの家の横に有る。
背の高ーい枝の張ったあの木で思い出す。



2009年9月4日金曜日

材木商との商談





生駒、精華町方面から京都市内に北上すると24号線沿いに
杉の丸太が積み上げてある木材所がある松本木材だ。

結構頻繁に京都へ向かうので以前から気にはなっていたが数日前
どんな物が有るのか覗いてみた。

奈良の材木屋は吉野の杉がほとんどだが、一歩京都の材木屋に入ると
京都の北山杉が多く有る。一般的な建材を扱う材木屋は広葉樹が少ないが
ここにはケヤキが多く見られた。

そこで昨日、今作っているケヤキの玄関の引戸に使う材料が足りなくなったので
試しにいくらぐらいで買えるのか訪ねてみる事にした。

ケヤキは乾燥を促進するに連れてしっかり押さえておかないと暴れる。
ウチに有った反れたケヤキを一面手押しで直し、そしてふくれた裏面を落とすと
また反れて来た。その結果引戸の縦の框の部分が取れなくなった。

用意してくれたケヤキは厚み一寸五分(45)で木表に割れのは行った物。
長さ4メーター幅7寸一本と長さ2メーター幅五寸二本
金額は金二万円プラス消費税(割れ入り@立米28万)そこそこした。

時々道すがら材木店にはひょこっと入る事が有る。
どんな物が有るのか頭に入れておくと必要な時に買いに来れるからだ。
以前は大阪の材木団地平林までよく買いに行っていたが
最近は近場の材木屋に有る物で済ます事が多くなって来た。

松本木材さんは決して上から目線で物を言う材木商ではない。
どちらかと言うと「やってみますのミドリちゃん」的な腰の低いおやじさんだった。
小売、バラ売り、落ち売り、そして製材もそこでやってくれるので
素人の方やDIYの方なんかも気やすく対応してくれる様な所でした。

しかし材木商によく有るパターンでなかなか値段を言ってくれない。
店によっては結局聞けずじまいに終わってしまう事も有るくらいだ。
これはどういう事かというと、客の腹を探りに掛かっているからだ

店主にすれば最小限の価格は有っても最大限には出来るだけ増やしたい。
そこで客の材木に対する価値観や予算を最大限に出さそうとしているから
なかなか値段を言わないのだ。

材木屋に行くと材木を見ながらよく話をする、木のこと仕事の事色々だ
最近思うのだが結局は自分は買う立場なのだから
エーカッコしたらあかんなと思う。
だって「負けてくれ」が言えなくなるからだ。

消費税「はい」





2009年9月1日火曜日

Ham holder ハモンイベリコ



西洋の肉食文化は古い歴史が有る。
今回見積もらせて頂いているのがスペインやイタリアの
食文化に使われているハムホ−ルダーだ。

スペインのイベリコ地方で飼育された黒のイベリコ豚は
樫の木の森林に飼育されこの木に成ったドングリの実と
根っこを秋から冬に掛けて腹一杯に食わせる。

こうして太らした豚を屠殺し、数日間塩漬けにした後熟成さす。
2〜3年間加熱処理をせずに熟成された豚の後ろ足の肉が
イベリコ生ハム、ハモンイベリコだ。

9キロ程の重さのあるハムは一本あたり日本では5〜10万円もする
ハムをそぐのにエンターテーメント性もあり日本にも浸透して来ている。

この高価な肉を平面に付けて切ると油が出て来て肉の繊維が崩される。
そこでこのハム専用のホールダーを使用して切る事に成る。

爪の裏を上にしてハムを固定する、
そして油の多い股肉の裏から削いで行き、油の少ない股の前にも油が回わす
これがローマ時代から続く食文化の工夫さた道具なのだ。

今回これらの肉の輸入業者でもあるアサヒグラント様のご紹介で
大阪堺市のピッコロカプリーチョの新店舗に使うハムホールダーを
デザインして見積もらさせてもらっているのです。