2009年9月12日土曜日

ケヤキをケヤキらしく。



これぞケヤキと言う仕上げ方は普段身の回りに有る物から影響を受けるもので
水屋やお盆、下駄箱やお屋敷の門扉や腰板などに使われている仕上げ方だ。

ケヤキは高級な材木でもあり日本では最も人気のある銘木とも言える
材木自身は中心部の赤身と外輪部の白太から構成されていて
赤身で板目の奇麗な物は一立米あたり百万を越えるものもある。

それほど人気があり高級な板を仕上げるにはそれなりの手間をかけている。
結構暴れやすい木でもあるのでよく乾燥された物でないと反れ上がってくる
そう意味でもケヤキの加工で仕上げは大切な行程と成る。

飴色のツヤが有り木目が美しく現れているケヤキの仕上げが
一番普段目にしているこれぞケヤキと言う仕上げではないだろうか。
この仕上げは日本の伝統的な木材塗装でもある生漆(きうるし)を使用した物で
行程は下地処理、塗り、湿度乾燥、磨ぎを重ね手間のいる仕事なのだ。

アメリカに居た時、日本的な物を要求されているとき
ケヤキに見せかけた仕上げをするときがたまに有った。
ケヤキは手に入らないのでホワイトオーク又はレッドオークに
WINWAXのゴールデンオークをクリヤーの塗料に混ぜて拭き仕上げしていたが、

さてそこで今は日本、端材では有るが本物のケヤキを前に
いかにケヤキらしく仕上げるかアメリカでの試行錯誤の経験を生かし
工場に有る塗料を調合して塗装してみる事にした。

アプリケーション(塗装方法)は拭き漆に近いワイピングステイン方法。
一種類のネタ(塗料)を着色調合して作る。

調合方法:

飴色を出すには飴を作る必要が有る
着色剤には油性の塗料に混ざる染料系ステインを使用する。
例えば大谷塗料のマイルドステイン、三精塗料製品などを使用した。

ステイン原色(ティント)の黄色、オレンジ、赤、黒などを混ぜて適当な色を作る。

ワイピングステインによくやる方法で一液性ウレタン・ニスと
煮亜麻煮油(ボイルドリンシードオイル)桐油(タンオイル)などを
大体同じ量混ぜてワイピングステインのネタを作る。

これに調色したステインの原色(ティント)を混ぜ合わした物が
飴色を出す飴に成るのだ。履けぬ利をして30分程してから拭き取る
それを一日置いて二回して今回は仕上げた。

なぜ三種類の塗料を混ぜるのかと言うと
ウレタンニスは乾きが早いがハケむらが出やすい、
そこで乾燥は遅いがツヤの良い亜麻煮油や桐油を混ぜる。

塗った後に拭き取って仕上げるのはハケ塗りや吹き付けと違い
比較的簡単で奇麗に仕上がるのです。

飴色のケヤキになってるでしょ。


0 件のコメント: