6月12日平野木材の市に行く。いつものように金子さんと宮本さんと朝3時半にうちの工房へ集合して出発、到着までに2時間半ほどかかる。金子さんのカエデを入手するのが主な目的で僕はちょっとだけ端材を買っただけだった。しかしここに来るといろんな人と話が出来るので来れば何か刺激を受けることができる。今回はびっちり競りに付いて回らず色々な材木の種類を勉強して回ることに時間を費やした、だってここは原木から板の状態がわかる生の広葉樹の百科事典のようなところなのです。平野木材の隣にある小林三之助商店は原木のみ置かれていて樹皮の様子や年輪、幹の長さなどが良く分かる。沢山写真は取ったが今日はキハダとホホの木について書いてみよう。これらの木はどちらも切ってから日が当たると黒く色が変わる板の特色を持っている
これがキハダの木で濃い茶色、非常に細工しやすそうで上品な感じがする。シラタと赤身が徐々に色が変わりやさしい感じも受ける。桑の代用品としても使われ女桑と別名で呼ばれるらしい、女性的な優しい感じがする。皮の断面が黄色に見える、生育時からその皮から黄色が見え黄肌と呼ばれるようになった。この皮の部分はオオバクといい漢方薬の薬としても用いられる、胃腸薬や火傷に使うらしい、また黄色の染色材としても使われることもある。
上の板を一枚めくると日に当たっていない部分はまだ赤身も白くシラタは黄色かった。
これがキハダの樹皮に皮の削れたところが黄色ことが分かるオオバコの材料。
これはキハダの様な色ではあるがホホとかかれている。朴の木です。神社などでにも見ますが葉っぱの大きな木でモクレンの種類にあたる。猪猟では罠を隠すのにこの葉っぱで覆われていました。競りの最中この板にたかっている人たちと話をした。一人は版画家、もう一人は刀のサヤを作られている方たちだった。これを狙っていると言う、この曲線が刀の形に良いらしい。これらのものに使用されるということはまず変形しにくいそして軽くまた細工しやすいという点が考えられる。手前のこの山9枚積みで一枚あたり6千円を超えた。これはけっこう高い値の付いたほうです。競りの場合二人欲しい人がいると競りあがっていくのです。
このホホの一番上の板をめくってみた。すると製材してまだ日にあったっていない部分は薄い緑色だった。僕はこれを見てすぐにポプラの木を思い浮かべた。あれもこういう緑から茶色に変わる木だったからだ。
平積みされた競りの次はこのラックに入って立てられている競りに代わるこれは板目が良く分かるように置かれているわけでやはり価格も少し上がる。本日僕がもっとも注目したものは曲がりの土地だった。
この曲がりの栃は僕からするとそれは見事なものだった。幅は70から80センチありカウンターにしてみたいという気持ちにさせられた。6枚つづりで曲がりの高さは150ミリほど有った。これは製材するのが大変だったと思う。結果なかなか買い手が付かず材木屋からはこれは置くのが大変やと愚痴が聞こえた。なるほどそういうことか結局この大ききな曲がり板は一枚あたり1.3万円で売られていった。売主は泣いていると思う。
そして製品の最終売り場この小屋の中、これらのものは数十万円で落とされるものもあった全ての材木を売り切るこの市は広葉樹の日本最大の市でもある。毎月おこなわれているがいったいどこに行くのだろうこれらの木は。
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