朝7時に集合、一時間以上かけて現場に行き8時半にヘルメット冠って朝礼。
10時に三十分、12時に一時間、3時に三十分の休憩があり、五時過ぎに終了。
規則正しい生活が続いている。
建物の構造は6寸角180角の材料を金物とボルトで結合する
西洋建築の工法で作られていた。
現在の仕事は天井の梁を支える約1:2の大型のトラスの補強工事。
六寸角のヒノキでトラス内を補強しその上に針葉樹合板を指定通りに釘で止める。
65の釘を30〜50ミリの間隔で止める工法はアメリカの建築物でよくやった。
耐震壁を作る時の釘のピッチがこんな感じだった。
ちなみに耐震壁は Shear wall (シアーウォ−ル)と言い
釘の指定を Nailng schedule(ネイリング・スケジュール)と言っていた。
アメリカの検査の基準はそれはそれは厳しいものだった。
検査の事をインスペクションと言い、検査官をインスペクターと言う。
建築関係の検査官はビルディング・インスペクターと言う。
構造検査(フレーミング・インスペクション)
釘検査(ネイリング・インスペクション)
など段階経てで検査官がカードにサインして行く。
サインが無くては次の行程に進めないのだ。
例えばネイリング・インスペクションでは一カ所でも間隔の広い所が有れば
カードにサインをせずにインスペクターは帰ってしまうという事になる。
石膏ボードのビスも紙を破るとやり直しという事になる。
プラスターの下地のラスなんかも触って震える箇所が有るとサインしてくれない。
など色々と検査でものすごく大変だった事を思い出す。
今回の仕事で大変身に付いて来ている事が有る。
それは尺貫法を用いて職人さんと仕事をしている事だ。
インチ、フィートは目検討も効くぐらいだが、尺寸分厘はどうも慣れていなかった。
それがこの現場でかなり身に付いて来ている。
目盛りを読むという事は目盛りが言えなくては身に付かない。
独学で尺目を使っているだけでは目盛りの読み方も自分流になる。
例えば尺二寸五分と言うと一尺を尺だけ言う事にしている。
これらの呼び方は尺目を実際に使っている職人と仕事をしないと耳に付かないのだ。
アメリカでもそうだった。
日本から来た大工がフィートに慣れようとするがなかなか慣れない
日本人同士だけで働いていると3/4を四分の三とか言ってやっている。
3/4はスリークォーター、1/4をクォーター
1/8をエイス、1/16をスィックスティーンスと言う。
3/32をスリー・サーティーセカンスなんて言えると一人前だ。
フィートも尺目も人間の大きさから生まれた寸法である。
仕事帰りの車の中で大工同士の会話を聞くと...
「あいつは立ったら五寸有るらしいぞ」五寸と言うと一尺の半分だ
「いやーあの組のあいつは六寸有るらしいぞ」
「えっ!六寸言うたら180や...それはゴッツイなー」
昨今、こんな感じです。
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