日本は肉食文化が浅いというか肉の食べ方をあまり知らない。
アメリカから帰国すると日本のマーケットでは薄肉しか売ってなく
肉食の体になっていた自分にはまったく物足りない感じをいつも受けていた。
道東の別海町で酪農を半年間経験したことがある。
あの時も搾乳はされていたが乳製品の他の文化がまったくなく
バターやヨーグルトなどほかの加工品を作ることはなかった。
チベットのテントの中ではヤクの肉を燻製にし
ミルクはバターにしてバター茶を作り、そしてヒョーというヨーグルトを作っていた。
これは肉食文化が発達しているから出来るのである。
コストコにはアメリカの肉(USDA)がアメリカのサイズで置かれている。
七面鳥(ターキー)はアメリカの感謝祭では先住民にご馳走したという意味で
必ず一年に一回は食すというか家庭で料理される。またクリスマスにも出てきます。
今回はそのターキーの焼き方をここでお教えいたします。
今年の12月21日は二箇所でターキーを二匹焼き沢山の人たちに食べてもらいました。
一つ目は朝から焼き始め蔵のボランティアの方たちにご馳走しまし
もう1つは友達の家で生活サーカスという人たちとのパーティで焼きました。
そこでは他にポークリブ、4枚のアバラ肉とローストビーフ
ターキーの細切れ肉でターキーサンドとローストビーフでタコスも作りました。
こんなに一日中BBQをやったのは初めてだった朝から夜まで。
七面鳥(ターキー)の焼き方
日本のコストコで売られているターキーは7キロ弱で約15ポンド程度のものです。
これはターキーではあまり大きくありません。
大きなものだと21ポンド以上あり10キロほどのものになります。
解凍
冷凍のターキーは解凍するのに常温解凍では丸一日ほど掛かります。
前日に買って一晩置いておく程度ではまだカチカチです。
凍っているターキーでも早く準備するには。
袋から出し水を流しておくと早く解凍できます。
そしてまず股を開き腹の中に入っているネックを取り出します。
そして首のところには皮の中にビニールで包まれた内臓があるので
それも取り出します。
ネックと内臓の袋を取り出すと腹の中の氷を水で流し全体を水洗いします。
ネックでブロスを作る
ネックを水に浸け弱火でブロスを作ります。
この出汁はスタッフィングとグレービーソースに使います。
ここでは味付けなし、薪ストーブで暖めました。
24インチのWeeberグリル 直径600ミリ
日本ではターキーが入るような大きさのオーブンを持っている方は少ないです。
そこで大きな肉を焼くのに必要なものがフタ付きのBBQグリルです。
なかでもこのウィーバー・グリルはフタが高いので10キロのターキーも焼けます。
コストコで13000円ぐらいかな。
このグリルの使いかたをマスターすると大きな肉も中まで料理することが出来ます。
スロークッキングをするにはフタをしてまず火をつけない。
そしてベントの開け閉めによる酸素供給量で温度調節をすると言うことです。
この網には持ち手がありその脇に少しの空きスペースがあります。
炭を左右に寄せてその空きスペースから炭を落とし足してゆきます。
そうるることでターキーを乗せたまま炭を足していくことが出来るのです。
炭が小さくなると少しずつ大きさにもよりますが足してゆけばいいのです。
ターキーを焼く時はターキーの油を取るのでトレーなどを下に引きます。
ここでは瀬戸物の皿を挽き焼きました。
焼きぐわい
アメリカではターキーは嫌いだという方も結構いた。
それは最初に食べた印象が良くなかったからだと思う、美味しくなかったのだ。
その原因のひとつに焼き方がある。
アメリカ在住の日本人のお宅でもホリデーシーズンになると
オーブンでターキーを焼かれるところは多い。
華氏350度で焼く、摂氏にすると176度ほど大きさによってその焼くながさは異なるが
生は怖いといって4時間も5時間も焼くとかすかすになってしまう。
そんなターキーを始めに食べると嫌いになるのだ。
僕が始めて頂いたところは最高に上手な家庭で何年もそこでご馳走になった。
なのでターキーミールは僕の大好物のひとつなのです。
さてターキーの焼きぐわいについてこんな感じです。
6~7キロほどのターキーで3時間ほどで焼きました。
グリルは下と上の空気穴のベントは全開で炭を足しながら焼きます。
フタをしているので火加減が分かりませんがフタを触ると熱さが分かります。
あまり熱くないと焼けた炭を足してください。
数字や温度では分かりにくいので焼けた目安になるのは音です。
「始めちょろちょろ中パッパ赤子泣いてもフタ取るな」
というのは米を炊く時ですが、炊飯器ではなく鍋や飯盒で焚くと
泡や汁が噴出す時があります。
その噴出す水分がとまりしばらくすると少しこげた匂いがします。
米の場合そこで出来上がりとなりますが。
ターキーも同じである程度中まで火が通ると
ジュージューポチョポチョと油が落ちてきます、それが焼きあがまじかの合図です。
火を緩めずにその落ちる油が止まれば焼けてます。
コストコのターキーでそれが大体3時間ぐらいです。
焼ければグリルから出し少し置きます。
骨の辺りに血が残っていても少し置くと血も収まります。
グレービーソースの作り方
ターキーから落ちた油を取ります。
まずネックのブロスとこの油を混ぜ火にかけます。
お玉で混ぜながら水で溶いたコーンスターチを入れます。
まさにうどんの餡かけを作るみたいなものです。
それに塩コショウで味をつければ出来上がりです。
油と分離するので良く混ぜて暖めながらターキーミールにかけます。
ターキーの切り方
ターキーの切り方はお客さんへのサーブの仕方ともいえます。
これが出来ないとぐちゃぐちゃになりながら食べる事になり
とっても汚い食べ残しになり無駄が多くなります。
焼きあがっターキーからフタッフィングを出すのは後でも先でもかまいません。
ふくらはぎとモモの部分は赤身と言う部分です。まず足を外します。
皮に切れ目を入れ足を伸ばし関節に包丁を入れ外します。
ふくらはぎとモモが取れたら白身の胸肉をとります。
この胸肉のとり方がポイントなります!
ターキーフィレットを取るにはターキーがあお向けにけになった状態で
胸の下に包丁で深く切れ目を入れます。
そして胸の上の部分からフィレット状に皮付きで切ってゆきます。
そうすると白身のブレス(胸)がフィレット状で取れます。
ある意味ここが一番のターキーミールとも言えます。
しっとりとしたブレスが取れれば最高です!
上の写真参照。
後はもうばらばらに骨の関節ごとに外してゆけばよいのです。
ターキーの食べ方
食べ方は好きなように食べればよいのですがアメリカではこうです。
この大きなターキーを5人程度の家族では一度に食べ切れません。
初日はターキーミール
プレートにターキーのブレスや足を乗せスタッフィングとマッシュポテトなどを添えます。
グレービーソースを全ての食べ物に掛けて食べます。
ターキーの油をいっぱい含んだグレービーはファットですが
アメリカ人はこれが大好きなのです。
油まみれになたお口直しに甘酸っぱい赤いクランベリーをちょっと食べるのです。
缶で売られているクランベリーは日本人には不人気ですが
ターキーミールには欠かせないものだと思っています。
フランスの柿の食べ方に熟じ柿とヨーグルトを混ぜて食べますが
このようなものを添えてもいいかもしれません。
そしてターキーミールをいっぱい食べた後は寝る。寝ます。
そして起きてからケーキを食べます。
二日目はミールかターキーサンドイッチで食べます。
ターキーサンドの作り方
パンは薄めでかりっと焼くのが好きです。
ぼくはブレッドナイフで5枚入りの食パンを半分に薄く切ります。
パンはグリルで焦げめを付けてターキーの細切れを乗せます。
それにマヨネーズをかけて食パンではさみ手で押さえつけてぺしゃんこにして食べます。
お好みでチーズを入れて溶かしても美味しいです。
ぼくはぺしゃんこにして食べるのがすきです。
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以上、ターキーの焼き方でした。
アメリカ建国の際には原住民のインディアンから土地をいただき
そのお礼としてこのターキーミールをご馳走したということで
インディアンにとってはとても皮肉な食べ物になります。
いずれにせよ西洋の食文化、とくに肉の食べ方は日本とは比になりません。
ウチの近くの猟友会の人たちも猪や鹿を食べられていますが
一頭さばいてもせっせと肉を細切れにして鍋で食べられています。
本当の肉食文化のあるところではこういう風には食べないのです。
しかし魚をはじめ海のものの食べ方は日本は進んでいます。
鯨もそうですね。
蔵の筋交いと塗りたての中塗り |
蔵のボランティアの人たち |
バーベキューリブ |
生活サーカスの忘年会 2014 浅田邸にて
2 件のコメント:
お忙しい中、調理をしてくださり、感謝でした。
おじさんが、おいしいおいしいと言いながら、ずうーっと骨をバリバリかじり続けていたのは、驚きでした。
私は歯が弱いので、できませんでした。
井上氏は、これで修理は終わりと言ってましたが、まだですよね。どういうつもりなのでしょうか。
お疲れ様でした。井上さんんグループには大変お世話になりました。蔵のボランティアの仕事も荒壁まで仕上げることが出来大助かりです。引続き蔵の修復は続きますが中塗りと仕上げは技術が必要な作業になります。井上さんからはここまでで一旦終了と聞いています、完成の時にはまた皆さんに来てもらえるよう井上さんお知らせしますのでそのときはまた来てください、よろしくお願い致します。有難うございました、よいお年をお迎え下さい。
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