ウチの工房は京都、奈良、大阪の中心地である『けいはんな学研都市』にある。
この地域は今も国土開発による山林の整地を行われている。
現在近くで目立った開発はUR都市機構の敷地であるJR木津駅の裏あたりと
近鉄学研奈良登美ケ丘駅近くの広大な土地だ。
今まで近くを通るたびに指をくわえて見ていてた訳ではなかった。
開発の仮設事務所に問い合わせに行ったりもしていたが
これらの工事を受け持つゼネコンも言わば下請け業社であって
ましてや現場の担当者となるとこの伐採木を譲る権限など持ち合わせていなかった。
小屋を四棟建てる仕事が入って来た。
基礎工事を含め予算的にはかなり低い価格だが雑木を製材すれば
なんとか外壁の平米単価をおさえ、折り合いが付く。
そこで必要に応じて雑木の原木を探すのに少し時間をかけてみた...。
「あった。ここやったんか。雑木の墓場は」
この木の山の量は久々に観るアメリカサイズです。
ここでは大きな体の男兄弟二人でこの大木を整理してはチップにされていた。
その中から売れる物は別にして木材市場に出したりもされていた。
この方達の大きな木の部類とは直径二尺以上の物。
桜、ケヤキ、クス、樫だと
樹齢100年は雄に越える、高さ30メートル級の物だ。
集まってくるこれらの樹木は100%近隣の木では有るが
100%日本の木ではない。
伐採される理由には開発によるものや、行政によるもの色々だが
里山ではなく、公園などに植えられていた物に外来種の物があるらしい。
それらの中の物でここに多く含まれていたのが メタセコイヤだった。
この木は成長が早いのですぐに大きくなる、それゆえ年輪も荒い。
こんな木は日本では利用されていない。
フフフフ。
フフフフ。
こちらの場所は京都府のお茶の産地、宇治田原にある。
今回ここに辿り着いたのはこのメタセコイヤとの縁だったのかもしれない。